心の健康 ― ストレス耐性向上術(イライラ編)

コラム

1. 「最近、すぐイライラする…」それは心の防御反応

50代になると、仕事や家庭のプレッシャー、体調の変化などが重なり、感情が揺れやすくなります。
「前はこんなことで怒らなかったのに」と感じることもあるかもしれません。

でもそれは、“心が弱くなった”のではなく、心ががんばりすぎているサイン
脳と体が疲れていると、ほんの小さな刺激にも「戦う」モードが入ってしまうのです。
まずは、「イライラ=悪いこと」ではなく、「今、自分は疲れている」と受け止めてあげましょう。

2. イライラしてもいい、自分を責めない

僕もイライラすることがあります。もちろんです、人間なのですから。

ただ、イライラした時にそれを沈めようとしてもうまくいかないことがあります。むしろ、「落ち着かなきゃ」と思うほど、気持ちがさらに高ぶってしまう。だから僕は、無理に抑えようとせず、イライラが収まるまでそのままにしています。

一見すると、これは怠けているように見えるかもしれません。でも実際は、「今の自分はイライラしている」と認めてあげているだけなんです。
心がざわついているとき、それを否定したり押さえつけたりすると、かえって疲れます。感情にも呼吸のような波があって、無理に止めようとしなくても、しばらくすれば自然と落ち着いていくのです。

イライラを受け入れるというのは、怒りに流されることとは違います。ただ、「ああ、今こう感じているんだな」と気づいて見守ること。怒りの中にいる自分を責めずに、そのままにしておく。そんな時間を持つだけで、心は少しずつ穏やかになっていきます。

3. イライラをやわらげる3つのセルフケア

これから書くことは、わかっていてもできないこともあると思いますが、今、この記事を読んでいる瞬間に一つでもやってみようって思えるものがあれば、ぜひ、実践してみてください。
きっとイライラする機会は軽減されるはずです。

① 呼吸を整えるだけでストレス反応をリセット

怒りを感じた瞬間に冷静になるのは難しいもの。でも、落ち着いてきたタイミングで深呼吸をするだけでも心は軽くなります。
吸うよりも吐く息を長く――それだけで体が少しずつ緩みます。
できれば1日数回、意識して“深くゆっくり呼吸”する時間をとりましょう。

② 「距離をとる」ことで感情をクールダウン

イライラの原因が人や出来事にあるとき、すぐに反応しないこと。
一度その場を離れたり、ノートに気持ちを書き出すだけでも、頭の中の熱が下がります。
「私は今、〇〇に腹を立てている」と言葉にするだけで、感情が少し整理されていきます。

③ 穏やかな習慣をつくる

朝の光を浴びる、軽いウォーキングをする、好きな音楽を聴く。
“感情を我慢して抑える”より、“気分を整える生活リズム”を育てるほうがずっと自然です。

4. イライラしないためのコンディションづくり

イライラを受け入れることができたら、次は「イライラしにくい日常の整え方」を少しずつ考えていきましょう。
それは特別なことではなく、暮らしを整えることから始まります。

  • 体を整える(睡眠・食事・休息)
  • 頭を休める(考えすぎない時間をつくる)
  • 小さな楽しみを持つ(音楽・香り・自然)
  • “余白の時間”を意識する

それぞれのテーマは、また別の記事で触れていきますね。

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