50代から始める、無理なく続く習慣づくり

コラム

健康や心の安定のために「習慣をつけたい」と考える人は多いと思います。特に50代を過ぎると、体の変化や将来のことを意識して、運動や生活習慣の改善に取り組む方も増えてきます。ただ、そのときに注意したいのが「無理な習慣づけは続かない」ということです。

習慣を身につけるコツは、決めたことを決めた通りに、淡々と繰り返すことにあります。意思の力で「今日はやろうか、やめようか」と悩むのではなく、迷わず自動的に体が動くようになるのが理想の形です。そのためには、最初から大きな目標を掲げず、小さなハードルを設定することが大切です。

例えば、ウォーキングやジョギングを始めるとき。「今日は気分がいいから5kmの予定を10kmにしよう」とつい頑張ってしまうことがあります。一見すると意欲的で素晴らしいことのようですが、これは落とし穴になりやすいのです。その日は達成感がありますが、翌日になると「昨日あれだけ頑張ったから、今日は休んでもいいか」と自分に言い訳をしてしまいます。そして、そのまま習慣が途切れてしまうことが少なくありません。

習慣化で大切なのは「気分に左右されないこと」です。気分に任せてやる量を増やすと、次にサボる理由も気分によって正当化されてしまいます。これでは安定して続けることができません。むしろ、「今日は気分が乗っているけれど、決めた距離だけにしておこう」と抑えることが、本当の意味で習慣を定着させる近道になります。

50代の私たちに必要なのは、無理をして一気に変わることではなく、小さなことをコツコツ積み重ねることです。体力の変化を受け入れながら、自分に合ったペースを守ることが、長く健やかに過ごすための土台になります。毎日少しでも続けられる習慣は、やがて大きな安心感や成果へとつながっていきます。

習慣化は、頑張ることではなく「頑張らなくてもできる状態」をつくること。無理な習慣づけを手放し、50代からは小さなハードルを越えながら、自分らしく続けられる習慣を育てていきましょう。

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